WILLERのMaaS戦略

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1. 本記事の目的

本記事では、MaaS事業に力を入れているWILLERという企業の、最近のMaaSの取り組みについて簡単に説明します。

【参考】WillerのHP

2. WILLERとは

WILLER株式会社は、2005年6月に創業した業界では比較的新興の企業で、高速乗合バスや京都丹後鉄道を運営する会社です。資本金は3,000万円の企業で、2018年度の営業収益は203億円です。

保有する車両数はバス230台で、他に京都丹後鉄道で使用する車両も有しています。従業員数は連結で847人のようです。

【参考】WILLERの会社案内

3. WILLERのMaaS施策①:高速バス事業における「LINE活用」

バス会社において、今後売上を伸ばすためには、SNSを活用したマーケティングが必要となります。特に顧客ごとに独自のサービスを行う「1to1」マーケティングを行うことが世界の主流となっており、各企業はそれに対応する必要がありあます。

短期的なセールスボリュームを追わないため、中長期的に使用してもらえる可能性であるLINEを活用する必要があります。LINEは国民のスマホ利用者ほとんどが活用しているからです。特に若い世代のLINEを含めたSNS利用頻度は非常に多く、新規顧客との継続的な関係の構築が課題となります。

WILLERは、「1to1」マーケティングを目的として2016年8月にLINE公式アカウントを開設しました。導入初月のLINE経由での売上と比較して、2018年10月では約35倍と急速な成長を遂げています。同社では今後も施策を広げつつ、より顧客にとって継続的に利用してもらえる事業の構築を目指しています。そのためには、さまざまなナレッジを積極的に取り込み、実践の中で得られた情報を自社の施策に繋げていく予定です。

【参考】LINEのセミナーレポート

4. WILLERのMaaS施策②:MaaSアプリにQR即時決済を追加

WILLERの運営する京都丹後鉄道沿線地域では、域内交通の空白地帯が多いことに加え、移動に関する情報不足、高齢者をはじめとする免許非保有沿線住民の孤立、地域交通事業者のキャッシュレス対応への投資負担や、インバウンドの増加など、様々な地域の交通課題が存在します。そのため、WILLERを中心とした京都丹後鉄道沿線地域MaaS推進協議会は、京都丹後鉄道沿線エリアにおいて鉄道を基軸とした地方郊外型MaaSを取り組んでおり、上記のような交通課題の解決を図っています。

課題解決のため、WILLERは、MaaSアプリ「WILLERS」の新機能としてQR即時決済などを追加しました。「WILLERS」は複数の交通手段を中心に検索、予約、決済をシームレスに可能にするアプリで、QR決済機能のほか、見た目やユーザー体験などのUI、UXをリニューアル、日本語だけでなく英語、中国語にも対応できるようにしました。

QR決済は利用時に即時決済できるものと、事前購入した乗車券情報を利用時に認証する2パターンで対応します。即時決済の場合、アプリの画面上でQRコードを表示し、駅や車内に設置されたQRリーダーにかざし乗車できます。降車時にもQRコードをかざすことで、予め登録されたクレジットカードにて決済が完了する。すでにAndroid版に導入したほか、ios版も後日リリースします。

【参考】トラベルボイス

5. WILLERのMaaS施策③:withコロナに対応する施策

コロナ禍の中、2020年7月あたりから移動へのニーズが少しずつ高まっています。 バス業界においても、新しい生活様式に対応したwithコロナにおける新サービスを展開する必要があります。具体的には、混雑状況の確認や急な予定のキャンセルに伴う予約便内での指定席変更、飛沫防止や周囲との接触の回避等が挙げられます。

WILLERは、高速バスである「WILLER EXPRESS」の全シートに対して、座席指定サービスが可能となります。混雑状況の見える化を開始し、予約時には混雑状況を確認しながら、便・座席を指定することが可能となります。予約後には出発時刻前であればいつでもリアルタイムの混雑状況が確認でき、予約便内での指定席変更(無料)、および同一路線であれば予約した便の前後1日間の別の便に取消料なしで変更可能です。

また、4列シートの隣り合う席間の仕切りを顔の高さまで大幅にアップさせ(以前の約2倍)、飛沫防止や周囲との接触を避けるとともにプライベート感を向上させます。加えて、新型コロナウイルスへの有効性が確認された深紫外線LEDを搭載した「空間除菌消臭装置Aeropure」を設置します。

【参考】PRタイムスの記事

6. まとめ

以上、WILLERのMaaS施策をまとめてきました。WILLERはシンガポールで字度運転バスの実証実験に取り組む等、MaaS事業に非常に積極的な企業です。公共交通機関にも様々な課題があり、そのためにMaaS施策が取り組まれていることがよくわかりますね。

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プロフィール

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このサイトを運営しているhk5です。
1991年生まれ、東京生まれ東京育ち。
都内の某私立大学を経て、某シンクタンクの支社決算業務の主担当として従事。 3年半勤務後、某コンサルテインングファームでAIプロジェクトの企画書作成、某金融機関のチャットシステム実装のPMO、某政府系組織のシステム企画の要件定義等を経験する。
現在、都内の某国立大学院で経営学を学習中。加えて、大学院と提携しているコンサルティングファームと協業し、将来の公立病院の経営戦略をテーマにレポートを執筆中。
また、中小企業診断士として、週1~4程度の頻度でベンチャー企業の業務を手伝い、新事業企画の立案や収支シュミレーションの作成等、パワーポイントを中心とした資料作成や市の融資相談員を行っている。
趣味は星野リゾートと離島巡り。日本中回りたいと思っている。
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