神姫バス(9038)のMaaS戦略

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1. 本記事の目的

本記事では、MaaS事業に力を入れ始めた神姫バス(9038)という企業の、最近のMaaSの取り組みについて簡単に説明します。

【参考】神姫バスのHP

2. 神姫バスとは

神姫バス株式会社は、1927年8月8日に創業した輸送サービス事業、生活サービス事業を運営する会社です。資本金は31億4,000万円の企業で、2020年度の営業収益は45,076百万円です。

保有する車両数は自動車766台(路線バス、高速乗合バス、貸切バス、特定バス、タクシー)です。従業員数は他社への出向者等を除き、1,626人のようです。

また、株主優待もあります。3月末と9月末の保有株主を対象に乗合バス半額割引券や株主乗車証等がもらえます。

【参考】神姫バスIR

3. 神姫バスのMaaS施策①:PassRu

神姫バスは、二つの課題を抱えている。一つ目は、バスのチケットを購入する際に、窓口で営業時間内しか買えないところが大半であることだ。しかし、バスは一日中走行しているため、いつでもチケットを購入できるのが理想である。 二つ目は、一日フリー乗車券等のチケットが使いにくいということである。顧客視点では以前まで窓口購入のみの発売で、移動の負担がかかる。加えて事業者視点では、チケットの窓口販売時に乗車券作成費や紙式乗車券の在庫管理にかかる負担が多く、コスト高となっていた。そのため、神姫バスは、顧客ニーズへの対応とコストの削減という課題を同時に解決しなければならないのである。

上記のような課題を踏まえ、2018年12月から神姫バスはスマートフォン等を使って乗務員に対して提示するタイプの乗車券アプリ「PassRu」(パスルー)を導入した。 支払いがクレジット決済となっており、今まで窓口で購入しなければならなかった一日乗車券等が、アプリ内で完結する仕組みになっている。英語にも対応しており、インバウンド需要も取り込める。

しかし、Android版のダウンロード数は100+のため、利用者は多くないと思われる。このアプリの利用者を多くすることが、神姫バスの次の課題となる。

【参考】レスポンスの記事:バス会社がつくるMaaSアプリ「PassRu」…神姫バス バス事業部 営業課 課長 佐藤匡氏[インタビュー

4. 神姫バスのMaaS施策②:地方のバス会社によるファンド「S5」

人口が減少する中、神姫バスの利用者も減少傾向である。例えば、2018年度に兵庫県三田市が神姫バスに支払った補助金は、利用客の減少により、約4,600万円もかかっている。補助金対象の10路線で生じた赤字は、ほぼ穴埋めしているという。神姫バスの事業部計画課によると、「市北部の路線全体では、補助金があっても年間数千万円の赤字」と明かす。利用者数を伸ばすには一企業としての努力だけでなく、街全体の魅力向上が欠かせない。街全体の魅力向上により、利用客の増加を狙う必要がある。

そこで神姫バスは、2019年5月末にファンドを設立したと発表した。設立には、ベンチャーキャピタルのサンブリッジグローバルベンチャーズ(大阪市)と連携した。交通サービスの利便性向上などにつながるスタートアップを支援し、兵庫県の姫路を中心とした地域の課題解決を目指している。このような地方のバス会社によるファンド設立は珍しい。もうすぐ100周年を迎える神姫バスだが「このままでは明るい未来は描けない」(事業戦略部の浜田環樹部長)と、ファンド設立に至ったという。

【参考】神戸新聞ネクスト

5. 神姫バスのMaaS施策③:バス乗車における「マイナンバーカード」利活用実証

神姫バスの本拠地である姫路市は、生活に密着した分野でマイナンバーカードの多目的利用を積極的に進めている。その目的について姫路市の原課長補佐は、「カードの普及とともに、市民のQOLの向上を目指したもの」と話す。サービスの充実がさらなるカードの普及につながり、その結果として窓口サービス等の効率化につながっていく。

2018年2月20日、兵庫県姫路市内において、姫路市と神姫バス連携の下、バス乗車における「マイナンバーカード」の利活用の実証が行われた。これは、総務省の事業の一つとして実施されたものである。当日は、高齢者等を対象とした優待乗車カードとしての活用を想定し、市民モニター27名が実証実験用のマイナンバーカードを使ってバスへの乗降車などを体験した。
アンケートの結果を見ると、マイナンバーカード活用が利便性向上につながると評価されたことが分かった。特に評価が高かったのは、「申請書の記入が不要になる」(約62%)と「身分証と乗車優待カードが1枚になる」(約55%)で、今回参加した市民モニターの半数が「マイナンバーカードでバス乗車優待が実現したら利用したい」と回答している。

【参考】TKCグループHP

6. まとめ

以上、神姫バスのMaaS施策をまとめてきました。公共交通機関にも様々な課題があり、そのためにMaaS施策が取り組まれていることがよくわかりますね。

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このサイトを運営しているhk5です。
1991年生まれ、東京生まれ東京育ち。
都内の某私立大学を経て、某シンクタンクの支社決算業務の主担当として従事。 3年半勤務後、某コンサルテインングファームでAIプロジェクトの企画書作成、某金融機関のチャットシステム実装のPMO、某政府系組織のシステム企画の要件定義等を経験する。
現在、都内の某国立大学院で経営学を学習中。加えて、大学院と提携しているコンサルティングファームと協業し、将来の公立病院の経営戦略をテーマにレポートを執筆中。
また、中小企業診断士として、週1~4程度の頻度でベンチャー企業の業務を手伝い、新事業企画の立案や収支シュミレーションの作成等、パワーポイントを中心とした資料作成や市の融資相談員を行っている。
趣味は星野リゾートと離島巡り。日本中回りたいと思っている。

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